【ラ・リーガ分析】求められるプレス回避の方法論とジョルディ・アルバの衰えへの対処【「ポスト・メッシ」時代の光と影!新生バルサの輪郭とクーマンが抱える課題】(3)の画像
バルセロナは、メッシ抜きで未来へと進んでいかなければならない 写真:原悦生

 もう、リオネル・メッシはいない。
 バルセロナの、メッシ不在のシーズンが始まった。バルセロニスタの失望と喪失感は相当なものだろう。それでも、ロナルド・クーマン監督はチームを立て直さなければならない。

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■第2節で見られた危うい場面

 バルセロナの課題を挙げるとすれば、「プレス回避」と「左サイドの使い方」だろう。

 第2節アスレティック・ビルバオ戦では、マルセリーノ・ガルシア・トラル監督が率いるチームを相手に苦戦した。

 マルセリーノのアスレティックは、バイエルン・ミュンヘンの縮小版のようなチームだ。全員がハードワークして、前線からプレッシングをかけていく。【4-4-2】を基本布陣としながら、両サイドハーフが相手の両サイドバックのところまで出ていき、2トップと連動してパスコースを遮断する。その試合のバルサでは、足元の技術に自信のあるGKマーク=アンドレ・テア・シュテーゲンが欠場していて、GKネトがゴールマウスを守っていた影響もあり、効果は抜群だった。

 キック精度の高いGKがいなければ、守護神と共にボールを前進させていくビルドアップがままならない。セルヒオ・ブスケッツが最終ラインに引いてくる(ダウンスリー)、フレンキー・デ・ヨングが低い位置でボールを受けるなど、それぞれの選手が工夫はしているが、場当たり的なのだ。

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