■ベンゼマが空けるスペースの使い方
この3トップを擁する攻撃では、「トップ下」のつくり方がキーポイントになりそうだ。
【4-3-3】のフォーメーションを敷くR・マドリードでは、本来であればトップ下というポジションは存在しない。
しかし、そこはミラン時代にアンドレア・ピルロをボランチにコンバートして覚醒させたアンチェロッティ監督である。新生R・マドリードにおいては、ファルソ・メディアプンタ(偽トップ下)をつくろうとしている。そこに入るのは、ベンゼマかアザールになる。
ベンゼマが中盤に下り、両WGが中央に入ってきて、中盤がダイヤモンド型の【4-4-2】が瞬間的に形成される。ミドルゾーンで、ベンゼマ、モドリッチ、バルベルデ、カゼミーロがパス回しに参加して局面ごとに数的優位をつくることが可能になる。
または、アザールが左ウィングのポジションから内側に絞っていく。元来、左のハーフスペースを巧みに使えるのがアザールという選手だ。この時も同様にフォーメーションは【4-4-2】になるが、アザール、ベンゼマ、ベイルが微妙な縦関係を形成するため、対戦相手としては非常にマークすることが難しくなる。