■伸び悩んでいた得点数

 そのセアラが、スーパーゴールで追加点を生み出した。62分、ペナルティエリア手前でボールを呼び込んだセアラは、パスをトラップすると右足を素早く振り抜く。名手・スウォビィクも見送るほどの強烈さと軌道を描いたボールは、ゴールネットに突き刺さったのだ。スタジアムを歓声とため息で包むゴラッソだった。

 そして70分のゴールは、カウンターからマルコス・ジュニオールからのスルーパスを受けたもの。仙台の裏に完全に抜け出すと、ボールを持ち出してポーランド人GKとの1対1の状況を作り、これを冷静に決めてみせたのだ。その後、9番は78分にお役御免。サポーターの拍手の中、ピッチを去った。

 トリコロール軍団の「9番」を背負うブラジル人FWは、今季、その得点力を見せることがなかなかできずに苦しんだ。しかし、前節の2得点を決め、今節はハット。調子を確実に上げてきている。FWオナイウ阿道にセンターフォワードの定位置を譲り、オナイウが12得点を決めるのを横目にゴールの数を伸ばせないでいた。4月24日のデビュー戦である横浜FCとのゲームで1得点を奪ったが、リーグ2得点目は5月30日。以降、アンジ・ポステコグルーの下でも、松永英機暫定監督の指揮下でも、ネットを揺らすことはできなかった。

 しかし、ここ2試合の躍動でリーグ得点数を「7」とした。現在もチームに所属するメンバーでは、13得点の前田大然に次ぐ2位タイの数字。今後、さらに得点数を伸ばしそうな予感を漂わせている。

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