■サポーターの拍手の理由
しかし、サポーターは迷いなく拍手で彼を送り出した。残り時間が僅かで、おそらく勝敗を左右する退場ではなかったことや、連戦になっていることで出場停止かどうかに関わらず次戦はローテーションされる可能性が大いにあったことで心に余裕があったから、というのはもちろんだが、これは何よりこの日の彼のプレーが素晴らしかったことに対する素直な称賛だった。
左サイドバックでプレーしたティーラトンは、13分に精確なキックで杉本健勇の先制ゴールをアシ スト。そして31分には高い位置でのパス交換を米本拓司に奪われたところで即座に体を寄せて奪い返し、突っ込んできた成瀬竣平よりも一歩早くパスを送ると、そのボールを受けたマルコス・ジュニオールがチーム2点目となるPKを獲得した。
こうして2点どちらにも大きく関わったティーラトンだが、サポーターが惜しみない拍手を送ったのはゴールに絡んだからだけではなかった。