東京オリンピックサッカー総括(2)「ゲーム体力」のために必要なJの強度の画像
久保建英 撮影:中地拓也

メキシコとの3位決定戦に敗れた東京オリンピック日本代表は、手ぶらで家に帰ることになった。しかし、さまざまなサッカーの果実を得ることもできた。なかでも貴重だったのが、「次のワールドカップでベスト8以上に進出し、また3年後のパリ・オリンピックで決勝に進出するための方法」だ。これを有効に活用できるのか、宝の持ちぐされに終わらせてしまうのか。そこに日本サッカーの明日がかかっている——。

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■世界のグループリーグを勝ち抜く力はある

 日本の各カテゴリーの代表チームは、直近の世界大会(ワールドカップやオリンピック)のほとんどすべてでグループリーグを勝ち抜いて、決勝トーナメント進出を果たしている。

 ロシア・ワールドカップではラウンド16でベルギーと死闘を繰り広げてみせたし、2019年に行われた前回のUー20およびUー17ワールドカップも、ともにラウンド16敗退だった。

 女子代表も、2019年のワールドカップではラウンド16でオランダに惜敗。東京オリンピックでも(3位通過ではあったが)準々決勝進出を果たしたし、前回の女子のUー20ワールドカップ(2018年)では優勝を遂げている。

 アジア予選で敗れて前回のワールドカップ出場を逃したフットサルを除いて、日本代表はすべての世界大会で決勝トーナメントに進出しているのだ。これは、ある意味「偉業」と言っていい。

 ところが、日本代表は優勝した女子のUー20ワールドカップを除いて、すべて決勝トーナメントの最初の試合(ラウンド16または準々決勝)で敗れているのだ。

 グループリーグを勝ち抜く力はあるのだが、4戦目以降に力を発揮できない……。それが、日本サッカーの世界の中での現在地なのだ。

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