【J1分析】際立った「中盤の王・小泉佳穂」の不在【江坂任移籍後初スタメンも…浦和敗戦(1)】の画像
ホームで江坂任と小泉佳穂の競演は見られるか 撮影/中地拓也

■8月9日/J1第23節 北海道コンサドーレ札幌浦和レッズ (札幌ドーム)

 9日に行われたJ1第23節では、北海道コンサドーレ札幌と浦和レッズが対戦した。アウェーの浦和にとっては、東京オリンピック開催による中断期間を経て、およそ1か月ぶりのリーグ戦となった。

 試合前から注目されていたのは、今夏に柏から浦和へ移籍してきたMF江坂任の起用法についてだった。4-2-3-1がベースになる浦和は、リーグ中断前からMF小泉佳穂がトップ下を務めていた。両足から繰り広げられる巧みなボールさばきで攻撃を牽引してきた小泉は、今や浦和の司令塔としても名高い。今夏の移籍を機に、小泉と江坂がポジション争いをすることになったが、果たしてこの2人の共存はありえるのか―

 ふたを開けてみれば、この札幌戦で江坂はトップ下で先発し、移籍後初スタメンを飾った。一方の小泉は、今後の連戦の日程を考慮してか、ベンチ外となった。

 浦和は前半から札幌に圧倒され、前半8分に先制される展開に。後半は徐々に持ち直したものの、後半13分にも追加点を奪われた。その後、後半21分にMF明本考浩が1点を返すが、追いつくことができず、1-2で敗れた。江坂は良い位置でボールを受けることができなかったりと、既存選手たちとの距離間やコンビネーションには不安が残った。

 そうなると、必然と比較して見てしまうのは小泉だ。今シーズンから加入した小泉は開幕スタメンを飾ると、その試合から安定したパフォーマンスを見せ、瞬く間に主力選手に昇りつめた。途中から加入したFWキャスパー・ユンカーとの相乗効果もあり、現在の浦和の攻撃は小泉の戦術理解力や視野の広さ、パスセンスによるところが大きい。今節の江坂の起用は、逆に小泉の不在を際立たせるような印象を受けた。

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