■「レアル・ソシエダに移籍してほしい」
昨季はシーズン途中に移籍もするなど、苦しい1年間となった。それでも、日本代表の五輪での躍進の、重要な鍵であることに変わりはない。
久保がスペインで高く評価されていることも確かだ。だからこそ、移籍先としていくつものクラブの名前が噂に上っている。
そのうちのひとつに、レアル・ソシエダがある。2020-21シーズンを5位で終え、新シーズンはヨーロッパリーグに出場する。アカデミーなど、若手の育成に定評のあるクラブで、実はラレア氏の実兄が育成部長を務めている。
現在はスペインに戻っているラレア氏に、内部情報は届いていないのだろうか? ソシエダの久保獲得について尋ねると、ラレア氏は笑顔で話した。
「ホームタウンであるサンセバスチャン自体が、気候も最高だし、すごく住みやすい街です。チームは絶対的なスタメンを固める考え方をせず、全試合に出たいという考え方には合わないかもしれないが、多くを学べるクラブです。選手個々のレベルが非常に高く、欧州の大会も戦うので、よりハイレベルな選手への階段を上がるには、理想的なクラブではないかと思います。
個人的には、レアル・ソシエダに来てほしいですね。私の故郷のクラブで、ファンは良い選手にソシエダのユニフォームを着てプレーしてほしいと願っています。久保選手が来てくれたら、街の全員が喜ぶと思います。私も、家探しからお手伝いしたいです」
五輪での活躍が、久保の未来のさらなる可能性を切り拓くかもしれない。今回の前哨戦でも、改めてスペインの人々に印象を残したことだろう。
Alex Larrea
スペイン、サンセバスチャン出身.元スペインサッカー協会会長の父、U-21スペイン代表で現在レアル・ソシエダ育成部長の兄など、エリートぞろいのサッカー一家で育つ。自身もカナダでプロとしてプレーした後、一度は会社員となるも、再び指導者としてサッカーの世界へ。ヨーロッパ最高位の指導資格であるUEFAプロライセンスを取得し、現在は日本でDV7サッカーアカデミーのディレクターコーチを務める。