■「最も効果的」だった久保

 日本は下がらざるを得ず、苦しい時間が続いたが、給水タイムの後からボールを動かせず状況が生まれるようになってきた。ラレア氏が指摘するのは、スペインのプレスに対して、左サイドバックに入った旗手怜央がボールの逃げ場としてボールを受け、前にパスを送る場面が増えたということだ。さらに、うまく相手の弱みを突いた選手がいた。久保建英である。

「1人で中盤の底に入っていたメンディの両脇が空いていました。そのスペースにビルドアップでボールをつけることができていました。そこから最終的に、久保選手のドリブル突破から堂安選手のゴール、というストーリーができましたね」

 確かに、旗手が自陣でボールを持った際、中央から左斜めに走り出した久保が進行方向を指さしながら、ボールを呼び込む場面があった。久保にとってゴールの場面は、してやったりの形で、先制後には堂安と肩を組みながら、雄叫びを挙げていた。

「久保選手は間違いなく、日本代表で最も効果的なプレーを見せた選手だったと思います。前半のすべてのゴールチャンスが、久保選手のアクションから始まっていました。日本代表の中心としてプレーしていたと思います。全体的にボールに触れる時間が少ない難しい状況で、ボールを前に動かす技術も能力もある。非常に重要な選手だということを、前半から見せつけていたと思います」

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