【五輪代表】日本対ホンジュラス(2)先を見据えた「不動」の森保采配の画像
チームの中心・久保建英 撮影/中地拓也
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U−24日本代表は12日、ヨドコウ桜スタジアムでU−24ホンジュラス代表と国際親善試合で対戦。MF堂安律が2得点を決めるなど3−1で勝利した。前半はホンジュラスを圧倒して2−0で折り返した日本だったが、フレッシュな選手を入れてきた相手に後半は押し込まれる展開となった。しかし、それもオリンピック本大会を見据えた森保一監督には想定内のことだった——。

■バックアップメンバーに大きなチャンス

 さて、ピッチ上でもう一人コンディションの良さをアピールしていたのがワントップで起用された林大地だった。

 林はもともとは「バックアップメンバー」4人の中の1人としてメンバー入りした選手だ。トレーニングなどは参加するものの大会が始まってしまえば出場機会が与えられる可能性は全くないという辛い状況に置かれるはずだった。

 ところが、FIFAが突然「22人全員が出場できることになった」と発表したのだ。

 直前になってこんな重大な内容のレギュレーション変更が行われるのは望ましいことではない。22人のチームを選ぶのと“18人の選手と4人のバックアップ”を選ぶのでは、監督の人選も変わってくるだろう。決定自体は歓迎すべき内容だったが、決定の時期は最悪に近かった。

 しかも、22人の選手を使えるのにベンチ入りは18人に制限されるというのだ。5人の交代枠を与えられたとしても、ベンチに7人しかいないのでは(1人は当然GKだ)監督は交代のやり繰りに苦労することになる(Jリーグも同様だ)。さらに、試合の度に「22人の中から18人を選ぶ」という気苦労の多い作業も必要になる。

 各国の監督は悩むだろうし、いろいろ言いたいこともあるだろう。しかし、「バックアップメンバー」として選出されていた4人にとっては大きなチャンスが舞い降りてきたことになる。当然、大逆転でのメンバー入り、そして先発入りを目指すことになる。

 林が非常にコンディションが良さそうに見えたのは、そうした理由から林が急ピッチでコンディションを上げてきたからなのだろう。

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