◼︎相手チームが進める“ユンカー対策”…その時、どうするか

 好調の攻撃陣も今節は不発に終わった。

 ユンカーの無双も手伝って5月から快進撃を続けていた浦和だが、ここに来て、相手チームはユンカーにマンマークをつけたりと、対策を重ねている。幸い、直近の浦和においてはユンカー以外の攻撃の選択肢も充実していて小泉佳穂田中達也明本考浩などが連携し、コンスタントにゴールやアシストという結果を出していた。しかし、リーグも後半戦を迎え、ユンカーを封じられた時の対応もチーム内で共有しておかなければならないだろう。

 特に、今節の仙台にとって好材料だったと思われるのは、前回対戦の際にユンカーとのマッチアップを経験していたことだ。

 4月下旬にチームに合流したユンカーのリーグデビュー戦は、ちょうど5月9日に行われた第13節の仙台戦だった。ここでユンカーは後半13分に名刺がわりのゴールを決めて、そこから4戦連続ゴールを達成して5月度のMVPに輝くなど、一気にインパクトを残した。

 ここまでの対戦を見ると、初めてユンカーと対峙する相手チームは、前線でボールをおさめられて且つ決定力も高いユンカーに対し、どのチームも手を焼いていた印象を受ける。前回の対戦でそのデータベースを得ることができた仙台には、他チームに比べて、ある程度のアドバンテージがあったのかもしれない。

 そういった意味では、リーグ後半戦はユンカーとの対戦歴があるチームも多いため、相手から見れば初戦よりは対策が立てやすくなるだろう。強いチームや好調なチームが相手からマークされることは当然だが、そういった時にこそ、チームの実力が試される。

 実際、今節の仙台戦では、特に後半、浦和は最後の形まで攻め上がるものの得点に結びつかず、時計の針が進むにつれて、焦りが散見された。守る側の相手にとってみればカウンターを狙いやすくなるし、こういった形で相手の術中にはまるのは避けたいところではある。

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4