■小泉本人も納得のゴール「あのゴールは文句なし」
試合後の会見で小泉は、J1での初ゴールについて振り返り、「練習でやっている形だし、選手同士でよく話している形だったので、意図してゴールを取れたと思う。(両足の)どちらでも蹴れることが強みなので、ためらいなく振り抜けた。あのゴールは文句なしですね」と、笑みをこぼした。普段、自身のプレーについては、報道陣からどんなに称賛されても課題点を挙げることが多い小泉だが、今回のゴールについては手応えが大きかったようだ。
「西選手が(高い位置で)持って、田中達也選手が相手を引きつけてくれたので、良い位置で受けることができた。その2人と自分の一瞬の判断で、相手を後手に回させたのではと思います」と、選手間の意思疎通がゴールに結びついたことを明かした。
リカルド・ロドリゲス監督も、「崩しも、それまでの過程も良かったし、左足で良いところに入れてくれた。福岡は固いディフェンスをするチームなので、その中で貴重なゴールを決めてくれた」と、小泉のプレーを称えた。
また、チームには、先日、柏からMF江坂任が移籍してきたばかり。小泉と同じトップ下でポジションを争うことになるが、小泉は江坂についてもコメントした。
「ここ数日、一緒に練習しているが、とても上手で、得点に関する上手さや迫力は、自分には足りないところ。競争するのか、共存になるのか、分からないですが、お互いに刺激し合って成長していきたい。チームがより強くなって、勝てるようになるのが重要だと思う」と、ライバルの存在を歓迎した。
小泉が話すように、若手選手の台頭や補強によって、チーム内の各ポジションで競争が激化しているのは事実。昨今の浦和を見ていると、スタメンの座を保証されている選手はほとんどいない印象を受ける。しかし、それによって好循環が生まれ、誰が試合に出ても結果を出せるようになってきている。相手チームにとっても対策には手を焼くだろう。
今やチームにとって欠かせない存在となった小泉。“新・司令塔”は新たなライバルを迎えることで、さらなる高みを目指す。
そして、レッズの2点目は、DF明本が鮮やかに奪ってみせた。
■試合結果
浦和レッズ 2-0 アビスパ福岡
■得点
11分 小泉佳穂(浦和レッズ)
76分 明本考浩(浦和レッズ)