■「長谷川はイタリアに行って雑になっちゃったかも」
―試合のほうは、いかがでしたか?テレビ中継では塩越柚歩が目に止まりましたが。
後藤「ダイナミックでしょ?」
大住「なんか変わっているよね?」
後藤「浦和レッズレディースのサッカーっていうのは、ああいう感じだよ。すごいダイナミックなの」
大住「メニーナ、ベレーザからは出ないタイプの選手だよね」
後藤「そうそう。森栄次監督が浦和で作っているのは、ああいうタイプを集めたもの。わりに大きさもあるし。たとえば右サイドバックの清家貴子の突進なんてすごいよ」
―塩越がいて、菅澤優衣香がいて。この2人は浦和ですね。一方で、長谷川唯があまり目立っていませんでしたが。
大住「長谷川はイタリアに行って、ちょっと雑になった感じがするよね。僕はよく、雑という言葉を使うんだけど。日テレ・ベレーザにいた時は、もっとパスの精度や、タイミングにこだわりを持っていたような感じがしたんだけど、今は関係なしにやっている感じがするんだよね」
後藤「代表のエースだったからね。上手いことは上手い」
大住「そう。たしかに上手いんだけど、左前には出られないし、内側に入っていくだけ。内側に入っていって、もう捕まっちゃう。ウクライナ戦は、そんな感じになっていたよね」
―ACミランに行って、まだ半年ですよね?それで下手になるとは……
大住「下手に、というより、どういうサッカーをしているかは知らないけど、前の良さが消えているのは感じたね。もっとチーム攻撃を引っ張っていって、彼女にボールが渡るたびに流れがスムーズになっていく選手だった。ペナルティエリアに入っても決定的な仕事ができる、点も取れる。19年のワ-ルドカップのオランダ戦のゴールは素晴らしかったしね。小さいけどスピードがあって、大きい選手に激しく詰められても、ちゃんと切り抜けられるものがあるはずなんだけど。ちょっとな……」