■9月5日/JリーグYBCルヴァンカップ 準々決勝 第2戦 川崎フロンターレ3-3浦和レッズ(等々力競技場)
ルヴァン杯敗退による重苦しい空気が満たした等々力競技場のベンチで、鬼木達監督はホワイトボードを手に座っていた。隣に座るスタッフに相談する様子を見せたと思った次の瞬間には視線を遠くにしたりと、頭の中で考えがまとまらない様子に見えた。悩みの“主”は、おそらく今後の戦い方だ。前半戦とめっきり変わった選手編成は、指揮官から戦術的自由度を間違いなく奪っている。
ルヴァン杯準々決勝第2戦では、それが如実に露呈した。MF大島僚太、DF谷口彰悟、FW旗手怜央、DF車屋紳太郎という4人の負傷者に加え、ジェジエウも万全ではない状況でベンチ入り。さらに山根視来は日本代表に招集。今夏に海外移籍した三笘薫と田中碧も含めれば、前半戦の主力メンバー7人を欠き1人をベンチスタートにしなければならない試合だった。選手が8人も入れ替わってしまえば、攻撃でも守備でも連携を保つことは難しい。それは、国内最強チームと言えど同じことだ。
実際、浦和に対峙した等々力での4バックはレギュラーメンバー3人が入れ替わる急造編成で、後半開始時点でジェジエウをたまらず投入しなければならない出来だった。スコアこそ1-1で前半を折り返したものの、貴重な交代カードを守備の修正に使わなければならなかった。