■資金難に揺れるイタリア
そのインテルに覇権を譲ったユベントスも、監督を交代した。こちらはクビである。自らの首を絞めた失敗の1年間だったと証明してしまった。
2019-20シーズン、ナポリから招いたマウリツィオ・サッリがセリエA9連覇を決めていたがユーベだが、チャンピオンズリーグでのラウンド16敗退の翌日にサッリを解任。後任にはU-23を率いていたアンドレア・ピルロを据えた。
監督経験のないピルロの擁立は無謀だとみられていたが、まさにそのとおりとなった。シーズン中から解任話が浮上しては消え、最終的に大きな目安とされていたCL出場権を得たのだが、クラブはピルロ解任を発表した。
サッリについては、名門にふさわしい戦いぶりではなく、噂されたクリスティアーノ・ロナウドら選手との不和もクラブの気に入らなかったという。また、ここでも理由となったのが、「カネ」だ。
ユーベは2019年まで連覇を飾っていたマッシミリーノ・アッレグリ監督に、年俸750万ユーロを支払っていたとされる。後を受けたサッリは550万ユーロとなり、さらにピルロは180万ユーロと、年俸を渋った結果が今季の苦戦だったというわけだ。
ピルロの後任として呼び戻したアッレグリに用意された年俸は、900万ユーロになると言われる。ユーベは大きな回り道をしながら損をしたと言わざるを得ない。