■イングランドでも話題となったコンテ

 カネが足を引っ張ったクラブは、他国にもある。イングランドのトッテナムだ。

 実力のみならず裕福さでも世界最高峰として知られるプレミアリーグで、「ビッグ6」と呼ばれる地位にありながらも、トッテナムは大風呂敷を広げない。ダニエル・レヴィ会長が、財布のひもを緩めないのだ。

 2018-19年シーズンには、補強ゼロでCL決勝へ進出。ある意味、奇跡と言えた。

 だが、大きな飛躍を遂げかけた後もレヴィ会長の姿勢は変わらず、近年の立役者であるマウリシオ・ポチェッティーノは解任の憂き目にあった。後任のモウリーニョも昨季、かつての「スペシャルワン」の名声を落とすだけとなった。

 それでも、トッテナムは意固地に態度を崩さない。ここでも「カネ」というキーワードで絡んできたのは、インテルと仲違いしたコンテだ。

 来季からの新監督として、コンテの名が一気にメディア上で沸騰し、突然消えた。レヴィ会長が、コンテの要求額を一蹴したというのである。年俸1500万ポンドに補強予算1億ポンドというタブロイドの報道は「飛ばし記事」とみなすべきだろうが、金銭面で折り合わなかったとういのは事実であるようだ。

 金の切れ目が縁の切れ目というが…。あまりに金銭に執着すると、自ら栄光を遠ざけることにもなりかねない。

 ちなみにコンテは、インテルから支払われるはずだった来季年俸のうち、700万ユーロを手にすることにはなったと報じられている。

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PHOTO GALLERY ■ヨーロッパの主要クラブの監督交代と、世界トップクラスの監督の年俸■
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