■意思統一の弱さが欠点か
それは倉田秋や井手口、他の選手たちについてもそうだ。それぞれがどこでどうプレーすることが相手に最も個を強く感じさせるのか。そのために周りがどうするべきなのか。そこが全体でハッキリ意思統一されてピッチ上に表れない限り、強いチームに戻れないのではないだろうか。
もちろん、強さや上手さは今でもJ屈指であり、個で上回る場面はある。
宇佐美にエリア外からの精度とスピードのどちらも高いシュートでゴールを脅かされたり、パトリックやレアンドロ・ペレイラに強引に決められたりという一発の怖さは今でもある。しかしそれは相手からすれば、個人レベルでその1プレーだけ相手の方が上だった、と割り切るしかないもので、強いチーム、怖いチームと戦っている、という印象にはならない。湘南の浮島敏監督は試合後のインタビューの中で「全ての面で相手を上回った」と口にした。
どうすれば自分たちのストロングポイントを出せるかどうか。そのために個人ではなくチームとしてどう動いて支え合うべきか。徳島、横浜FCに連勝して復調したかに思えたガンバだったが、根本にある課題は変わっていなかった。
松波正信監督は改善していきたい部分を「3バックの距離感、前との距離感、あとはサポートの角度とか、いろいろな要素が。1人2人で回すわけではないので、関連したポジショニングというところ。いつしなければいけないのか、どこに行かなければいけないのか、どこを見ておかないといけないのか、という整理」と複数挙げた。正式に監督に就任した指揮官の下、後半戦に向けて地道に取り組み続けるしかない。
■試合結果
湘南ベルマーレ 0-0 ガンバ大阪