■状況に応じた動き方や約束事が共有されていない
井手口陽介は試合後、攻撃に対して「蹴るのか繋ぐのか、メリハリがしっかりできていない部分もあった」としただけでなく、守備に対しても「しっかりと行くときは行く、行かないときは行かない、という区別ができていなかった」とどちらも似た部分で問題があることを明言した。これは個人ではなくチーム全体の問題だ。状況に応じた動き方や約束事が共有されていないからそうなってしまう。
たとえば、宇佐美がどの位置でプレーできるのか、というのはガンバの攻撃の怖さに直結する。当然、高い位置で前を向かれてプレーされることが相手にとっては最も嫌なことだ。守備で深いところまで追いかけて来たり、後ろを向いてボールをキープされたりしても、面倒ではあるが怖くはない。
それはパトリックも同様だ。ポストプレーをされるだけならば、面倒ではあるが怖くはない。
かつて彼らが揃った試合で相手にとって最も脅威となっていたのは、パトリックが強引に前進したことで生じたスペースを宇佐美が利用してフィニッシュ、という個の強さの相乗効果があった部分だ。あの頃と全く同じ戦い方をやろうとしているわけではないが、互いの良さを出し合える状況を作ることが重要なのはいつでも変わらない。