【J1分析】湘南対G大阪「パトリックと宇佐美貴史」に見る“個の力”と“意思統一”の重要性の画像
行く、行かないがハッキリしなかったガンバ 撮影/原壮史
湘南対G大阪戦での写真 20210602

【明治安田J1リーグ 第19節 湘南ベルマーレvsガンバ大阪 2021年6月2日 19:03キックオフ】

 この日のガンバの攻撃は、パトリックのポストプレーをきっかけに周りがディフェンスラインの後ろへ飛び出していく、という狙いだったはずだ。しかし試合開始すぐは良かったものの、パトリックにボールが入ったところを奪いどころにした湘南にそのプランを封じられてしまうと、そのままなす術なくペースを握られ続けた。

 キム・ヨングォン昌子源が不在となった最終ラインは東口順昭に牽引されて無失点を保つことができたものの、0に抑えることに注力し続けなければならない試合展開の中で意図的なパスやオーバーラップでチームの状況を変えようと試みる部分まで求めるのは酷だった。

 ただし、日韓の代表センターバック2人存在が大きいのは間違いないが、最終ラインから全体への修正の働きかけ以外にもやりようはあったはずだ。

 ペースを握られ続けてしまった原因の中には、中盤が幅を取って相手を引きのばそうとしないことや、サイドで追い越す動きをして相手を慌てさせようとしないこともあった。

 次第にパトリックにボールが入る機会そのものが失われるようになり、明確な攻撃の形がない中で、宇佐美貴史は前線から自陣まで守備に走り回ることになった。

PHOTO GALLERY 湘南対G大阪戦での写真 20210602
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4