■GK鈴木「無失点で抑えることがキーパーの第一の仕事」

 GKの鈴木は、前節の広島戦でJ1デビュー後から初失点を喫したが、今節は再び無失点に抑えた。試合後の会見で鈴木は、「(前節では)ミスをして引き分けだったので、今日は無失点に抑えるということに集中していた。攻撃面での課題はあるが、無失点に抑えるというGKの第一の仕事ができてよかった」と、振り返った。

 ボランチへの縦パスを供給したりと、ビルドアップの場面でも貢献した。

「後半は自陣からのつなぎから形を作れた。これはキャンプの時から積み上げてきているもので、監督からも要求されていること。(デビュー当時の)最初は前を見たら下が見えず、近場を見たら前が見えなかった。今では、前を見ながら内側の選手を見られるようになり、余裕を持ってプレーできている。今回の経験を自信にして、(選出されている)U-24でも頑張りたい」と、手応えを話した。

 今節においては、これまで攻撃を牽引していたユンカーや小泉が封じられ、ボールを前線に効果的なパスを供給するシーンは少なかった。名古屋は寄せも素早く、守備のポジショニングに隙がなかった。守備の完成度に関して言えば、現時点の浦和にとっては相手に見習うべき点も多かった。しかし、明本が名古屋のMFマテウスを封じるなど、浦和にとっても成果はあった。

 リカルド監督は、試合後の会見で、「難しい試合になったが、相手が上位にいる名古屋ということを考えれば、こういった引き分けも悪いものではないと思う。どちらかというと、大きなチャンスは相手の方がより多かったが、固い試合だったのでどちらが勝ってもおかしくなく、ディテールが勝敗を分けるような試合だった」と、名古屋を相手にドローで終われたことの価値を話した。

 また、「今回の試合は上位のチームに対して拮抗した固い試合ができたが、(シーズンの)最初の頃はなかなかできなかった。今は徐々に良いプレーができるようになって、結果もついてきた。ここまでは順調に進んできていると思います。我々が築き上げているアイデンティティーやスタイルであったり、今までやってきたことを引き続き積み重ねて、チャンスの数を増やしていきたい。こういったディフェンスの固いチームを我々が崩せるようにしていければ」と、ここまでの手応えを振り返るとともに、今後の展望を語った。

 勝ち切れなかったものの、2位の名古屋に対してスコアレスドローで終われたことは、新体制で今シーズンを迎えた浦和にとって一定の自信をつかめただろう。試合後の会見で槙野は、「今日の勝ち点1を意味のあるものにするためには、次節で勝ち点3を取って、次に繋げる必要がある」と話していた。チームのコンセプトをより突き詰め、さらなる進化を遂げたい。

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■試合結果

浦和レッズ 0-0 名古屋グランパス

  1. 1
  2. 2
  3. 3