■安全を買うのは難しい
1999年にそのナイジェリアに行くときに、問題となったのが現金問題でした。
当時のナイジェリアではクレジットカードはほとんど使えませんでした。ですから、現金を持っていくしかありません。しかも、“安全を買う”ためには、いつものように安宿に泊まるわけにもいきません。
というわけで、僕は4000米ドルの現金を持って出発したのです。
治安の悪いことで有名な国に大量の現金を持って行くのですから、これはちょっと、いや、かなり不安です。体のあちこちに分散してドル札を持って歩いていました。
で、ホテルの前にはたいてい両替屋がたむろしているので、彼らに両替を頼むのです。ホテルのレセプションなどで両替するよりは彼らの方がレートがずっと良いのです。
いちばん良心的な両替屋で100ドル=9300ナイラでした。つまり、1ナイラは1円強というレートですから、日本人にとっては分かりやすくてよかったのですが、問題は両替をすると札束になってしまうことでした。