■堂安に期待できる
右サイドでボールを持った東京五輪代表MFは、ボックスの中のアンドレアス・フォクルザマーに預けて、自らペナルティエリアに入っていく。
背番号21から再びボールを貰った堂安は、右足で行くぞ行くぞと見せかけて、カットインから左足でシュート。対面したパスカル・ステンツェルは、まんまとフェイントに引っ掛かった。このゴールは、ビーレフェルトのブンデス残留を決定づけたということだけでなく、堂安自身にとっても、今季の集大成のゴールと言える。
不得手だった右足を克服しただけでなく、さらに得意としていたカットインからの左足シュートに磨きがかかったのである。PSVからレンタルで加入したこの1年で、“助っ人”としての力を証明し、得点のバリエーションを広げ、まさにアタッカーとして一皮むけたのだ。
そして、この堂安の卓抜した得点能力は、東京五輪を戦うU-24日本代表の得点源として、大いに期待できる。いくら地元開催とは言え、グループリーグで同居したメキシコとフランス相手に、ポゼッションで圧倒できるとは限らない。シュトゥットガルトを相手にしたビーレフェルトのように守勢に回らざるを得ない時間帯も、ゲームプランを組み立てる上で考慮する必要があるだろう。
よって森保一監督も、3人のオーバーエイジを遠藤航、酒井宏樹、吉田麻也という守備のスペシャリストに絞り込み、比重を後ろに置いたスタイルで本大会を戦おうとしているのではないか。そこでカウンターのフィニッシャーとして期待できるのが、堂安だ。