J2ストップ・ザ・新潟(1)町田が仕込んだ「本間至恩対策」!猛追・琉球「4得点の深い意味」【戸塚啓のJ2のミカタ】の画像
本間至恩(新潟)   写真:松岡健三郎/アフロ

■新潟の不敗が「13」でストップ!町田が止めた

 開幕から13試合負けなしで走ってきたアルビレックス新潟が、今シーズン初黒星を喫した。5月16日開催の第14節で、FC町田ゼルビアに1対2で敗れた。

 開始早々に試合が動いた。1分、いつもの右サイドではなく左サイドに起用されたサイドバックの三鬼海が、ペナルティエリア外正面から左足の一撃を突き刺す。11分には右サイドからのクロスを、太田修介が右足でプッシュする。町田が序盤にして2点のリードを奪った。

 町田がホームとするGIONスタジアムは、改修工事を終えたバックスタンドがこの日からお披露目となった。チームにとってはメモリアルな一戦である。

 さらに言えば、4月21日の再現を狙っていた。同じくホームスタジアムで行われたその日、町田はFC琉球の不敗記録を止めている。「みんなで首位の新潟を食ってやろうという思いを出せたと思う」とは、三鬼とポジションを入れ替えて右サイドバックで起用された奥山政幸だ。

 両サイドバックのポジション変更は、ランコ・ポポヴィッチ監督による本間至恩対策だった。ドリブル突破で違いを見せる新潟の背番号10を抑えるために、「週の初めから本間選手の対策として、右サイドバックで使うと言われていました。自由にやらせないことを意識しました」と奥山は説明した。

 後半に1点を失ったものの、町田は2対1で押し切った。チーム全体で本間に仕事をさせず、交代カードも有効に機能させなかった粘り強いディフェンスが、勝利を呼び込んだのだった。

 ポポヴィッチ監督就任1年目の昨シーズンは、シーズン12勝に終わった。それが今シーズンは、新潟撃破ですでに7勝目である。上位へ食い込んでいくポテンシャルがあることを、改めて示した一戦だった。

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