【Jを超えていく男・本間至恩(1)】首位快走・新潟を牽引!「キュキュッ」ドリブルに背後へのラン…脅威の進化【戸塚啓のJ2のミカタ特別編】の画像
本間至恩(新潟)   写真:森田直樹/アフロスポーツ

■アルビ史上初の10代での背番号10

 すぐにでもJ1で見たい選手である。

 もっと言えば、ヨーロッパでどれぐらいできるのかを知りたい選手である。

 J2のアルビレックス新潟でプレーする本間至恩だ。

 プロ2年目の昨シーズン、19歳で背番号10を背負った。10代の日本人選手が着けるのは、クラブ史上初めてだった。

 高校2年でトップチームに2種登録された2017年当時から、本間はドリブルでの仕掛けを強みとしていた。定位置とする2列目左サイドからのカットインは、「キュキュッ」という音が聞こえてくるほどに鋭い。ステップが細かいうえにシザースとボディフェイクが入ってくるので、マッチアップする相手からするとつかみにくいのだ。

 自身のストロングポイントを際立たせるために、20年シーズンは相手守備陣の背後へのランニングを取り込んだ。それによって足元でパスを受けやすくなり、より良い状態で仕掛けられるようになっていく。

 20年シーズン初得点は5節のFC町田ゼルビア戦だった。ペナルティエリア外から強烈な右足ボレーを突き刺した。7節の水戸ホーリーホック戦では、右足のパワフルショットで決勝点を叩き出した。

 9月2日に行なわれたV・ファーレン長崎とのホームゲームでは、1対2で迎えた90+5分に同点弾をねじ込む。ペナルティエリア内で素早くフィニッシュへ持ち込み、その時点の首位チームから勝点1を奪った。本間自身にとっては、勝負強さに目覚める一撃だっただろう。

「もっと前で怖さを出す選手になりたい。クロスとかにもっと入らないといけないときもあるので、もっと走れるように、どん欲にいきたいです」

 18節のジェフユナイテッド千葉戦では、プロ入り初の1試合2得点をマークした。30節の東京ヴェルディ戦でも、2対2の同点に持ち込むゴールを決めた。

 最終的にはチームトップタイの40試合に出場し、同4位のプレータイムを記録した。7得点は鄭大世に次ぐ2位タイで、7アシストはチーム最多である。総得点「55」の4分の1相当に関わった。

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