■勝者と敗者を分けるもの

 こうして、「4対0」という大きな差がついてしまったが、これが川崎と名古屋の実力差であるとは思えない。90分を通してどのように戦うかというゲームプランの部分がこの点差を生んだのだ。そして、大事な試合に向けていかにして集中力を上げていくかというメンタル面でも両者には大きな差があった。つまり、川崎というチームは重要な試合ではギアを上げることができるし、また、時間帯によって試合の進め方を変えることができる。それほど、チームの完成度が高いのだ。つまり、川崎は「勝ち方」を知っているのだ。

 これが、最近の4シーズンの間に3度も優勝を飾っている“常勝チーム”の強さなのだろう。

 そういえば、昨年の11月25日のJ1リーグ第29節でも、川崎はガンバ大阪相手に5対0と圧勝して、ライバルの目の前で優勝を決めた。G大阪戦は前半が2ゴール、後半が3ゴールというゲーム展開だったが、2位のチームが相手の重要なゲームであることに変わりはない。そうしたゲームになると集中力を発揮して大差で勝つことができる。それが、川崎フロンターレというチームなのだ。

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