衝撃的な一報が届けられたのは、現地時間4月18日だった。
レアル・マドリーのフロレンティーノ・ペレス会長が、欧州スーパーリーグの誕生を明言。かねてから水面下で進行していたプロジェクトの実現に向け、動き出そうとした。
だが周囲の反応は冷ややかだった。マンチェスター・シティが早々と撤退を表明すると、イングランド勢が続々と抜けていった。ミラン、インテル、アトレティコ・マドリーも脱退して、実質的に残ったのはマドリー、バルセロナ、ユヴェントスのみになった。
■ピッチ上で勝ち取れ
Ganatelo(ガナテロ/最初のaの上にアクセント)
リーガエスパニョーラ第31節、バルセロナ対ヘタフェの一戦で、ヘタフェの選手たちが入場した際に身に付けていたTシャツには、そのように記してあった。
ヘタフェは今季のコパ・デル・レイで優勝したバルセロナを称える意味合いで、入場の際にバルセロナの選手たちに”花道”をつくった。これはスペインのチームが相手を称える時の伝統だ。
ただ、それに付随して、前述のTシャツを着ていた。「ガナテロ」は「自らの手で勝ち取れ」という意味だ。無論、これは欧州スーパーリーグへのメッセージである。
閉ざされた時空間での大会は、望まれるべきではない。他ならぬコパ・デル・レイという大会こそが、”格上”と”格下”が潰し合うトーナメントで、その大会形式によりエモーショナルな展開を見せる。権利を自分の手で勝ち取れーー。そのコパで優勝したバルセロナに、欧州スーパーリーグ参戦チームのバルセロナに、そのメッセージを向けるのは、強烈なカウンターとして機能していたように見えた。