【ラ・リーガ バルセロナvsヘタフェ 2021年4月22日(日本時間29:00キックオフ)】
レアル・マドリード戦では出番のなかった久保建英だが、バルセロナ相手に先発出場、しかもフル出場を果たした。
5-1-3-1で守るヘタフェは、最終ラインの幅を広くとってバルセロナの攻撃に対応しようとした。
カディス戦では2トップ状態で守備免除とポジションの自由を与えられていた久保だが、この試合では「3」の左で起用された。守備に積極的に参加することを求められる一方「5」の左に入ったマルク・ククレジャと縦の関係でプレーし、攻撃で縦関係の選手が常に自分を見てボールを出してくれる状態、というこれまでにはなかった環境を手に入れた。
最終ラインの幅を広くしてバルセロナに対応しようとしたヘタフェだったが、開始早々の3分にメッシのミドルシュートがクロスバーを叩いたことで、前を意識するようになってしまう。8分、縦パス1本でメッシに中央を突破され簡単に先制されたが、前だけを見ている最終ラインはメッシに死角から飛び出す動きを簡単に許してしまった。
久保は中途半端な場所に入ってくるフレンキー・デ・ヨングのポジショニングに悩まされ、どこに対して守るのかはっきりしなかったが、途中からネマニャ・マクシモヴィッチがデ・ヨングに合わせて動くようになったことでセルジ・ロベルトの対応に集中することができるようになった。
守備で自身の役割がはっきりすると、攻撃で目立てるようになった。
12分のヘタフェのゴールは幸運も絡んだが、左で久保とククレジャがテンポよくパス交換をしたところから入れたクロスから生まれものだ。
16分、久保は左サイドの奥でオスカル・ミンゲサ相手に勝負を仕掛け、股抜きに成功。そのまま一気にペナルティエリアに侵入しようとしたが体を止められた。笛が鳴ってもおかしくないシーンだったがノーファウルだった。
31分にはドリブルで持ち上がって同じくミンゲサと勝負したが、今度はしっかり止められてしまった。
前半、83パーセントものボール保持率を記録したバルセロナに対しヘタフェの攻撃機会は限られていたが、ククレジャと久保、そこにカルレス・アレニャが加わってボールを動かすことで数少ないその機会で勝負を挑むことができ、自身にボールを出してくれる存在があることで久保は1vs1を仕掛ける場面を得た。
守備でもククレジャと2人で挟んでボールを奪う場面があり、この縦の関係は成功だったといえるだろう。