■多摩川クラシコを繰り返してはいけない
自信を失わせたのは、内容だけではない。試合に挑む時点で、すでに優勝を狙う心意気は削がれていた。FC東京の代名詞である4-3-3をこの一戦で捨て、長谷川健太監督は4-4-2を用いたのだが、指揮官はその選択背景として、こう話していたことはそれを物語る。
「(FC東京は川崎とは)がっぷり四つで戦えるほどの力はないと思っていた」
アイデンティティを捨てての惨敗を、繰り返す必要はない。だから、横浜Fマリノスには、自分たちの形で圧倒する必要がある。
だから、FC東京が用いるだろうシステムは、4-3-3。そして、トリコロールが用いるであるシステムも4-3-3。どちらが優れた4-3-3か、静寂の中で決めて見せる。ただし、同じ4-3-3でも、その構造はまったく別物だ。