■すでに傷つけられたチームのプライド

 マリノスは、5月の31日間で、8つの公式戦を戦う。そのうち、リーグ戦は6試合。首位決戦の行方も含め、横浜Fマリノスにとっては5月が今季を占う分岐点になる可能性がある。だから、FC東京には負けられない。

 かたや、FC東京の“崖っぷち”はさらに深刻だ。11試合を消化した現時点で勝ち点は「15」の10位。優勝を目指したチームが2ケタ順位に沈んでいるのだ。しかも、17得点18失点と得失点差は-1。攻撃も守備も、機能しているとは言い難い。

 そんなFC東京にとって、“優勝奪還”を目指す横浜Fマリノスに負けるわけにはいかない。ここから優勝争いに加わることは至難の業だが、優勝を目指すとしていたライバルに負けることは、チームのプライドにかかわるからだ。こうしたゲームでプライドがズタズタにされることは、すでに“4月11日”にすでに味わっている。あの思いは、もうしたくない。

 “あの思い”というのは、“多摩川クラシコ”のことだ。昨年王者で連覇を目指す川崎を味スタに迎えた一戦は、2-4で屈した。やり合ったように見えるスコアだが、内容は悲惨だった。王者の王者たるゆえんを見せつけられた90分間で、試合後、青赤のユニフォームからは意気消沈した様子が感じられた。

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