「静寂の激突」FC東京vs横浜Fマリノス(1)無観客はもったいない「崖っぷちのプライド決戦」 の画像
FC東京・長谷川健太監督と横浜Fマリノスのアンジェ・ポステコグルー監督 撮影:中地拓也
■5月1日/J1第12節 FC東京―横浜Fマリノス(味スタ)

 

 5月の初日、味の素スタジアムで“崖っぷち”に立たされたチームが対戦する。ホームチームは首都チームであるFC東京。アウェイから乗り込むのは、横浜Fマリノスだ。両チームの今季の目標は「優勝」。しかし順位表を見れば、青赤もトリコロールもそれとは程遠い場所を染めている。まさに崖っぷち。負けるわけにはいかない。

 執筆時点で、調布市の天気予報は晴れのち曇り。気温は24度。サポーターにとってはGWのメインイベントとなるサッカー日和になるはずだった。サポーターでなくても、崖っぷちの両チームが激突する姿は、きっとエンターテインメントとして楽しめたはずだ。しかし、この試合は無観客で行われる。優勝を願うサポーターがいない静寂の中で、ボールと体がぶつかる音が、ピッチに響く。

 FC東京と横浜Fマリノスについて「崖っぷち」と表現したが、その意味合いは両者で異なる。4月28日時点での順位は、1位・川崎(勝ち点32)、2位・名古屋(同29)、3位・鳥栖(同23)となっている。2019年の王者で、優勝奪還を掲げる横浜F・マリノスは4位(同21)だ。

 マリノスの消化試合は、上位3チームより2試合少ない。仮に勝ち点「6」を積み上げたとすれば、12試合時点で勝ち点は27。4月29日と5月4日に川崎と名古屋が首位決戦2連戦を行うことを考えれば、この2チームにこれ以上離されないようにするにはギリギリの状態にある。

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