②ファンにとっての夢の対決とサッカーのあるべき姿
リバプールのクロップ監督はかつてスーパーリーグ構想に対し「なぜレアルと10年連続で戦う必要がある?そんなもの見たいか?」と語っていたが、リーズ戦前には「ウエスト・ハム(現在4位)がチャンピオンズリーグに出て戦う、そういうことがあるから良いんじゃないか」と、健全な競争が あるからこそサッカーは美しいものであるということを改めて口にした。
夢の対決、というのは競争の末に実現するからこそ夢であり、競争があるからこそサッカーは人々を惹きつける。最初は注目されるビッグマッチも毎年続けば当たり前になり、結局は以前よりも価値を落とすマッチングも出てくることになる。
チャンピオンズリーグが夢の舞台であり続けるのは競争の末に辿り着く舞台だからで、監督も選手もそこで戦うことを夢見てキャリアを進め、ファンはそこで戦う我がクラブを応援することを夢見る。
選手もかつてはファンだ。ポルトガル代表のダニエル・ポデンセはチャンピオンズリーグのボールを手にする自身の写真と共に「ジダンのボレー、カカの単独突破、アテネのリバプール、バルセロナでのスールシャール、クリスとセードルフ……」とチャンピオンズリーグの名場面を言葉にして投稿した。するとブルーノ・フェルナンデスがその投稿を引用し、インスタグラムのストーリーで「Dreams can‘t be bought(夢は買えない)」と言葉を乗せた。
夢の舞台の行方は果たしてどうなってしまうのだろうか。