■求められるのは、“最後の精度”

 失点後も浦和がボールを握り、後半24分には、武藤が右サイドの敵陣深くから、ゴール前にいた途中出場のFW興梠慎三にクロスを送るが、興梠のヘディングシュートは惜しくもゴール左へと反れる。さらに、35分には、右サイドのDF西大伍のクロスから、飛び込んできたMF関根貴大が頭で合わせるが、わずかにバーの上へ反れてしまった。

 試合終盤には槙野を前線へ上げてパワープレーを試みるが、結局、チャンスは多く作るものの、ゴール前でのクオリティーが足りず、0-1で試合終了のホイッスルを聞くことになった。

    守備面においても、直近2試合はクリーンシートに抑えていたが、久々の失点となってしまった。VAR介入後の失点だっただけに、集中力をいかに保つか、試合再開後の入り方をチームでどのように共有するかなど、修正すべき点はありそうだ。

 試合後の会見で、リカルド監督は「前半は相手を崩せていたし、後半も攻撃の形はできていたが、(フィニッシュの)最後のところで少しズレてしまった。コントロールしながらゲームを支配できたので試合内容は悪くはなかったし、今までやってきたことはできている。小泉・関根・興梠の決定機のところで、我々が勝っていてもおかしくはなかった。選手の特徴やパフォーマンスを向上させながら、決め切るところが課題だと思う」と、今後の修正点について述べた。

 この試合の浦和のボール保持率は63%と、試合全体を通して浦和が圧倒した。リカルド監督のボールを保持するというスタイルは確立されつつある。

 開幕の序盤は選手の距離感に課題があったが、日を追うごとに選手同士の連携も改善されていて、攻撃時の2人目・3人目の動き出しも多く見受けられる。しかし、再三の攻撃も今節ではゴールに結びつかなかった。攻撃の形はできている。指揮官が言うように、あとは最後の精度を高めるだけだ。

■試合結果

セレッソ大阪 1ー0 浦和レッズ

■得点

66分 丸橋祐介(セレッソ大阪)

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4