■京都で進む新たな“チョウ・キジェスタイル”

 後半はリスタートから3得点を追加した。52分にウタカがあげた4点目は、左CKをきっかけに右サイドに人数をかけ、ウタカがハットトリックを達成した。

 72分の5点目は、直接FKからだ。今シーズンの京都はCKとFKのデザインが多彩だが、FKからのゴールは今シーズン初めてだった。

 3分後の6点目は、右CKからである。ライナー性のボールがファーサイドへ流れると、バイスがプッシュした。

 オープンプレーとセットプレーから得点を重ねた攻撃は、多様性に富んでいた。何よりも、躍動感に溢れている。京都のファン・サポーターではなくても、彼らの試合を観たら身体が前のめりになるはずだ。

 湘南ベルマーレを率いた当時のチョウ監督は、”湘南スタイル”と呼ばれるサッカーを作り上げた。攻守の切り替えや球際の攻防といったサッカーの原理原則を徹底的に追及しつつ、相手ゴールへ鋭く襲いかかっていった。負けてもなお胸がすくサッカーを繰り広げた。

 チョウ監督とともに戦っていく京都のサッカーは、どのように形容されていくのだろう。今シーズンのJ2をめぐる楽しみが、ひとつ増えたと言えそうだ。

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