■外国人選手の「個」のゴール……ではない!!
独自のスタイルが、育まれつつある。
チョウ・キジェ監督のもとで戦う京都サンガF.C.だ。
4月17日に行なわれた第8節で、京都はギラヴァンツ北九州と対戦した。前節終了時点で1勝4分2敗と勝星を伸ばせていない相手を、6対1で下した。
公式記録の得点者の欄には、ピーター・ウタカの名前が3回、ヨルディ・バイスの名前が2回、それに飯田貴敬の名前が書き込まれている。映像を観る前に結果を知ったら、外国人選手の「個」の力が大勝を呼び込んだ、との印象が立ち上がるかもしれない。
実際は違うのである。
17分の1点目は、左サイドのスローインからワンタッチプレーを3連続で繰り出し、ペナルティエリア内で待ち構えるウタカが決めたものだった。一人ひとりの迷いのない判断がつながり、主砲に決定機を提供したのだ。即時性と連続性が生んだものである。
23分の2点目も、連続性によるものだ。両サイドからクロスを入れ続け、相手に跳ね返されてもすぐにボールを回収し、そのたびにペナルティエリア内に侵入する人数を増やしていく。最終的には4本目のクロスに6人が飛び込み、ウタカが仕留めたのだった。
飯田のJリーグ初ゴールとなる26分の3点目は、CBのバイスの持ち出しに右サイドバックの飯田が連動し、宮吉拓実とのパス交換からペナルティエリア内へ侵入する。背番号2が同サイド上を豪快に打ち抜くまでの動きには、チーム全体として一瞬の迷いも見当たらない。誰もが即時性を持って攻撃を完結させている。