■納得していない指揮官と選手
当然、手倉森監督も選手もこの試合結果には納得していない。「（２点追いついたことには）“よくやった”と選手たちには言いました。で“「この展開を招いたのは自分たちだ”という話もしました。そして、“今日のゲームのようなことをして勝点１で良かったと思うようではダメだ”という話もしました。やはり悔しいんだ、もったいないんだ、もう少しゲーム運びを賢くやらなければいけないんだ」と指揮官が試合後に話せば、西村は「確実に勝たなければいけないと思っていました。まだまだ」と悔やんだうえで、「流れの中からもう少しアイディアを出して、自分も含めて、もっとゴールに襲いかかるようなプレーをやりたい」と次を見据えた。
さらに吉野も、「勝点３を取らないことには始まらないので、これからいかにして失点をなくして点を取るのかにこだわりたい」と話した。仙台は、勝利に飢えたチームであることを感じさせた。
ただ今季の仙台は、過密日程の中でも一つ一つ積み上げと改善を図って進んでいるのが、昨季との大きな違いだ。そして、横浜Ｆマリノスを相手に今季初の無失点とした前節に続き、今節は初の複数得点を得た。横浜の２チームを相手にした２つの引き分けは、勝ち点２以上の重さを持つ。
もちろん、勝ち点３がなければ、４チーム降格という厳しいレギュレーションの今季は残留を掴むことができないが、一気にすべてを改善できるほどＪのトップカテゴリーは甘くない。指揮官もそれは理解しており、「敵地で勝点１を拾えたというのは、辛うじての仕事」と表現している。
