【UEFAチャンピオンズリーグ 準々決勝 1stレグ レアル・マドリードvsリバプール 2021年4月6日(日本時間28:00キックオフ)】
プレミアリーグで得点ランク首位を争うモハメド・サラーら強烈なアタッカーを擁し、畳みかけるように攻め立てる。そんなリバプールの迫力を、レアル・マドリードの“緩急”がいなした。
リバプールは、守備も攻撃的だ。強度の高いプレッシングでのボール奪取が、攻撃の第一歩。そこからの縦への速い攻撃を避けるために、R・マドリードがまず取るべきは、プレッシング回避という策だった。
R・マドリードは、まったく中盤中央にボールを入れなかった。ボールを動かすものの攻め急ぐ様子はなく、リバプールを焦らすように緩いボールを動かし続けていた。イングランドとは違う空気が、スペインの首都には流れていた。
だが、攻めのチャンスは常にうかがっていた。狙いどころは相手の右サイド、トレント・アレクサンダー=アーノルドの裏だ。ビニシウスを走らせ、さらにサイドバックのフェルラン・メンディも加わることで、攻撃力あるサイドバックをけん制してもいた。
攻め急がないことで、一気のスピードアップの効果が増す。開始12分にはGKティボ・クルトゥワからのボールでビニシウスが一発で裏を取り、クロスに持ち込んでいる。その1分後には、今度はマンディがビニシウスの惜しいシュートを導くボールを送っていた。