■静かな流れを1人で変えるスーパーな選手

 シティが静かにプレーしたことで、試合は動きが少ない展開になった。

 そこで目立ったのは静かな流れを1人で変えるスーパーな選手だ。それはシティでは、ケヴィン・デ・ブライネだった。

 18分、中盤でボールをカットしたシティは、デ・ブライネが一気にギアを上げてショートカウンターを炸裂させ先制に成功した。90分の決勝ゴールも、デ・ブライネが中盤から逆足でロングボールを入れたことで生まれたものだ。

 今年に入ってから、怪我で長らく離脱していたデ・ブライネだったが、この試合ではゴールシーン以外でも、復調を感じさせるプレーでチームに勝利をもたらした。強さ、スピード、精確さを全て備える世界最高のミッドフィルダーは唯一無二の存在であり、彼がいれば奇策を用いる必要はない。リードを奪ったことで、2ndレグでもデ・ブライネに全てを託して静かに戦うことが可能だ。

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