【CL分析】マンC対ドルトムント「双方の主役」デブライネとハーランドが輝いた「第1戦の物語」の画像
アーリング・ハーランド(ボルシア・ドルトムント)とジョアン・カンセロ(マンチェスター・シティ)写真:ロイター/アフロ

UEFAチャンピオンズリーグ 準々決勝 1stレグ マンチェスター・シティvsドルトムント 2021年4月6日(日本時間28:00キックオフ)】

 この試合に向けた会見で注目を集めたのは、ペップ・グアルディオラ監督の2つの発言だった。

 1つ目は「今シーズン、我々はミッドウィークに休めたことが1度もない」という現在のサッカー界の過密日程を非難するものだ。各国の代表選手で構成されるビッグクラブは、代表ウィークも休息にはならず、UEFAとFIFAの双方に不満を露わにした。

 2つ目は、ドルトムントのアーリング・ブラウト・ハーランドをどのように封じるのか、ということについて「できる限りゴールから遠ざける」と答えたものだった。

 この2つは、合わさる形で試合に表れた。

 守備から入り、手堅くプレーをする。試合開始からシティが見せたのは、ホームでの1stレグでアウェイゴールを奪われないためのシンプルな戦い方だった。動きが重い選手たちに無理をさせず、プレースピードを上げないことでドルトムントの攻撃にも迫力を出させない。

 シティがセーフティ第一だったことがわかりやすかったのは、ジョアン・カンセロの位置だ。左サイドバックとして出場したカンセロは、ロールをせずに単に守備的なサイドバックとして、低いライン際に張っているだけの時間が長かった。インサイドでボールを触ることもあったものの、それもファイナルサードではなく、あくまでも後方でのサポートとしてパスを捌くだけの場面が多かった。攻撃で目立ったのは、前半アディショナルタイムに中盤の左サイドから一発でペナルティエリア中央のベルナルド・シルバにパスを通したことくらいだ。

 普段と比べれば消えてしまっているかのような大人しさだったが、それはカンセロが低調だったわけではなく、この試合へのチーム全体の姿勢を如実に表しているものだった。

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