■調子が良ければシュートを撃っていたはず
後藤「昨日の帰りの電車の中で、大迫勇也が良かったか、という話をしたでしょう?
僕が思ったのは、後半の初めに大迫がペナルティエリアの外で、南野拓実からパスを受けて、前を向いたからこれは自分で撃つな、と思ったら撃たないで、また南野に返したんだよね。あれを見て、やっぱり調子悪いフォワードはこうなのかな、って思った」
大住「僕は、縦をボンボンと入れて、そこからサイドを使ってっていう攻撃ができたのは、やっぱり大迫がいたからだと思う」
後藤「ポストプレーは本当に大迫が活きていた。アシストもちゃんとするし、たしか2アシストでしょ? 大迫は昨日、悪いわけではなかった。でも、フォワードならあそこはやっぱり自分でシュートを狙いに行くべきだし。ゲームに出ている調子が良いフォワードならば絶対に自分で行っていたと思う。大迫の代わりがいないのは間違いない。あんなボールが収まる選手はいないんだからさ」
大住「その話は昔からあったよね。昔、『サッカー・マガジン』でJリーグの選手を採点したものを載せていたんだけど。たとえばマラドーナがいて、もし試合で点を取らなかったら10点満点中3点なのかと言うと、そうではない。8点、9点のプレーをしているんだけど、期待されたものの2分の1もできなかったって言うんだったら……」
後藤「今までほとんど試合に出ていない選手が出てきて、すごく活躍すれば、そりゃ10点をつけたくなる」
大住「そうそう」
後藤「今日の渡辺皓太もそういう意味だった。今まで主役じゃなかった選手が、今日はすごく良いプレーをしたなっていう感じ」
大住「あんまりボールを失わなかったし、ちゃんと前にもつけていたし」
後藤「けっこうフリーで良いポジションをとって、菅原が出ていくと後ろをカバーしていたしね。横浜マリノスですごく良いからね、やっぱりいいなって思ったんだよ」
大住「そういう誰がいい、誰が悪いっていうのは、人それぞれ見るポイントと、話しているポイントが違うから」
後藤「けど、大迫がもしブレーメンで毎週試合に出て、ポコポコと点を取っていたとしたら。ああいう場面ではシュートを撃ちに行くと思うんだよね。けど、今は残念ながらそうじゃない。そういうのが、あの場面で見えちゃったな」
大住「だから使われていないってこと?」
後藤「だから使われていないし、使われていないから、ああなっちゃった。フォワードってそういうもんじゃない。コンスタントに点を取っているフォワードは、自信を持ってシュートを撃つ」
大住「鎌田大地がいい例だよね、あんなシュートが入るんだから」