晩春の激論【日本代表】大住良之×後藤健生(5)韓国戦「3対0で喜ぶような試合じゃない」「シュートまではすごかった南野拓実」の画像
日本対韓国戦での南野拓実 代表撮影/JMPA
日本対韓国戦(2021年3月25日)の写真

その4はこちら
3月25日に行われたサッカー日本代表の韓国戦、26日のU24の対アルゼンチン戦。フル代表は韓国に3対0で快勝し、五輪代表はアルゼンチンに0対1で敗れた。この2試合で明らかになった「森保ジャパン」の実力と現在地はーー。サッカージャーナリスト・大住良之と後藤健生が、熱い議論を戦わせる!

■「ベルギーが相手だったらやられている」

―フル代表の韓国戦の話に移りましょう。ワールドカップベスト8は狙えそうですが。

後藤「僕は昨日の韓国戦は、前半を2対0で終えて、後半の早い時間に3点目を取ってくれたら、ほんとにすごいと思う。でも結局3点目はなかなか取れなくて、もたもたしているうちに、向こうの攻める時間が増えてさ。

 セットプレーとかもあるんだけど、けっこうピンチの時間ができてきたじゃない?それを見ると、これがベルギーを相手にしていたらやられているなって。あるいはソン・フンミンがいたら追いつかれていたかも。90分間なら日本のゲームだったけどさ」

大住「選手交代をしたあとは、また良くなったんだけど、“後半の前半”については、ちょっとね……。後藤さんが試合後の会見で質問したのに対して、森保一監督は、相手がアグレッシブに来るだろうから、耐えるべきところは耐えて、って言ったんだよね? だけど、あれが裏目に出たんだと思う。なんていうか、引いちゃったんだよね、取りに行かないで。それによって韓国を勢いづかせてしまった。
あれは試合として非常にまずかったと思うよ」

後藤「難しいよね。そこで、今日のアルゼンチンみたいに上手く立ち回れればいいんだけど」

大住「そうなんだよね。だけど、なんていうのかな、昨日の韓国が相手だったらプレスに行く時間を、たとえば最初の15分とか、前半終わりの15分とか、後半の立ち上がり15分とか、ある程度設定して、自分たちのペースでできるだけ長く進めないといけなかったと思う。

 別に森保監督は守れって言ったんじゃないんだよね。でも、相手はアグレッシブに来るだろうから耐えて、なんて言うと、ああいう消極的なプレーになっちゃうんだよね。だから、すごくもったいなかったなぁって思う」

後藤「早く3点目をとって、相手の息の根を止めるべきだったね。7点取る必要は無いけど、3点目を早く取る」

大住「次の1点が勝負だから絶対に取らせるな、取りに行け、って言う指示なら納得がいく。それでもっと違ったゲームになったと思うんだけど」

―それはハーフタイムの指示ですね?

大住「そうそうそう。指示っていうか、話でね。当たり前の事を言っているんだよ、前半に2対0で負けているチームが、後半はアグレッシブに来るぞって言うのは。当たり前なんだけど、その指示がチームに与えた影響っていうのが、すごく裏目にでちゃったなって思う。

 後半の前半は非常にもったいない時間を過ごしてしまった。構えて構えて、相手が撃つのを避けているだけ、という印象。もっとアグレッシブにボールを取りに行けばいいのに、ってかんじがしたけどね」

PHOTO GALLERY 日本対韓国戦(2021年3月25日)の写真
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4