■オーバーエイジのアルゼンチンGKが効いていた
―日本はそれに対抗できませんでしたね。
大住「うん。ほんとにやりたいことはできなかった感じがしたんだけど、後藤さんはどう思う?」
後藤「日本は最初の1点を取られるくらいまでは、本当にどうしようもなくやられていて。だんだん慣れてきたのは間違いないよね?」
大住「うんうん、それはね」
後藤「点を取られたあたりから、相手のスピードにだいぶついていけるようになったけど。それは日本がついていけるようになったのと、相手が1点を取ってから。まあ、引いたと言うほどじゃないけど、ある程度構えていたから。あの辺をどう評価するかは、難しいところではある」
大住「日本が行こうとした時に妨害するプレーというか、それを防ぐプレイは90分間落ちなかったよね? 相手が意図的にやったかは知らないけど、この試合は1点を取ればしばらくこうやっていて大丈夫、と言う認識の上でやっているような感じ」
―やはり、金メダルを取るというのがどういうことか、それがわかっているチームだったということですね?
後藤「オリンピックは真夏の猛暑の中の連戦になるんで、ああいう戦い方ができるチームは強いよね。中2日で6試合勝ち抜かないと金メダルが取れないからね。90分間走りまわるわけにはいかないから、ああいう戦い方を見事にやったなと言う感じ」
―オーバーエイジで、GKのレデスマが入っているあたりも、アルゼンチンの本気度が伺えますね?
後藤「あのキーパーが効いていたよ。後ろから、サイドを変えろとかね、外へ追い出せとかね、すごく的確な指示を送っているんだよ」
大住「ダメだダメだ、今度はいいぞ、とかを言っていたよね」
後藤「すごく具体的に、どっちに追い出せ、とか指示を出しているんだよ。あれが大きい」
大住「守備面だけじゃなくて、攻撃面でもすごく良い指示を出していたからね」
後藤「あの差は大きいよ。後ろからのコーチングがあるか無いかは」
大住「多分そういうコーチングができるキーパーということで選んだと思うんだけど」