■堅守に穴をうがつための「横」

 それだけに、その堅守に穴をうがったシティの力がより際立つというものだ。

 後半に入り、シティは「横」の動きが増えていた。サイドでボールを持つと、マークのずれを生もうと横にドリブルを敢行する。58分にはフェルナンジーニョの「斜め」が効いた。ラヒーム・スターリングからパスを受けると、中央からゴール左へと加速する。その動きと交差する走りを見せたのがスターリングで、フェルナンジーニョの背中をかすめるようにゴール前へ。フリーでフェルナンジーニョからのボールを受けることに成功すると、際どいシュートを放っていた。

 84分には、さらに動きに変化を加えた。その4分前にもDFながらボックス内にドリブルで侵入していたアイメリク・ラポルテがセンターサークル内から自分で持ち上がる。その前を、左に流れていったのがフィル・フォデンである。マークを引きつけ、ラポルテの前に道を開いた。その横の動きで空いたスペースに縦のドリブルを突き刺し、ケビン・デブライネにパス。こぼれてきたボールを叩いたラポルテのシュートはクロスバーに嫌われたが、詰めていたイルカイ・ギュンドアンが冷静に頭で流し込んだ。

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