■出場10秒後の大仕事
終盤の先制点だけで終わらないのが、シティのすごさだ。グアルディオラの采配が、90分の2点目を生んだ。
スローインのこぼれ球へのリヤド・マフレズの走り込みが、エバートンDFジェリー・ミナの飛び出しを誘発する。この競り合いはミナがヘディングで制したが、弾かれたボールをロドリが1タッチで縦に出す。飛び出したミナの裏へと入っていたデブライネはボールを受けるとさらに加速し、そのままゴールを陥れた。
先制点の場面ではシュートを打ち切れなかったデブライネだが、交代出場の役割を見事に果たした。マフレズも、この日はベンチスタートだった。ロドリに至っては、デブライネへのアシストがこの試合のファーストタッチ。出場からわずか10秒後の大仕事だった。
歴戦のアンチェロッティは、勝利の美酒の味とともに、苦杯の悔しさも知る。その名将をして、この敗戦を「満足」だと語らせた。理由はただ一つ。「世界最高のチームに敗れたのだからね」。ベンチの選手もまた、世界一。銀河系軍団を率いたアンチェロッティの言葉であることが、説得力をさらに増す。
シティは今、名実ともに世界一へと向けて歩みを続けている。FAカップ、リーグカップ、プレミアリーグ、そしてチャンピオンズリーグ。4冠獲得へ、また一歩近づいた。
■結果
エバートン 0-2 マンチェスター・シティ
■得点
84分 イルカイ・ギュンドアン(マンチェスター・シティ)
90分 ケビン・デブライネ(マンチェスター・シティ)