日韓戦2021「深夜の激論」(8)「日本は最近10戦で3勝のみ」すべての勝ちはあの監督の画像
日韓戦で苦い思い出のある大久保嘉人(セレッソ大阪) 撮影/原壮史

3月25日に行われる日本対韓国の親善試合。日本にとって特別な思い入れのある韓国との一戦は、多くの注目と期待を集めている。サッカージャーナリストの大住良之氏と後藤健生氏の2人が、実に54年間にわたる日韓戦観戦の蓄積から、多彩な角度の議論を戦わせる!

■「2011年のアジア杯は印象深かったなぁ」

―1998年に岡田武史監督のもとで、日本代表はフランスワールドカップに初めて出場を果たします。その後の日韓戦の流れは?

大住「98年のフランス以来、ワールドカップ予選で同じ組になっていないんだよね」

後藤「その後は、東アジア選手権だけなんだよね。けど東アジアは、海外組なしだから 」

大住「毎回、ワールドカップ予選の組み合わせが決まるまで、今回こそは韓国と一緒になるだろうと思ってるんだけど、全然ならないんだよな。たぶんFIFAランキングが関係してるんだと思うんだけど」 

後藤「まあ、偶然だよね。日韓に限った話じゃないわけだから」

大住「けど、1位と2位じゃ離されちゃうわけじゃない?」

後藤「でもランキングにはオーストラリアがいたり、イランが入ったりもしてるからね」

大住「それでも、韓国と離れちゃうよね。今回こそは韓国と一緒になるんじゃないかなと思うんだけど」

後藤「もうちょっと日韓戦を見たいよな。東アジア選手権以外の、ちゃんとした日韓戦を見たい。一番気持ちよかったのは、札幌でやった3対0の試合かな。2011年だよね」

(※2011年8月10日、札幌ドームでの親善試合。アルベルト・ザッケローニ監督の指揮のもと、日本代表が3対0で韓国代表に圧勝。李忠成のアシストで香川真司が先制、代表デビューだった清武弘嗣のアシストから本田圭佑が2点目、そして3点目も清武から香川が決めて勝利した)

大住「もうひとつ僕が覚えているのは、2011年のアジアカップの準決勝。PK戦だったんだけど、日本の若い世代である香川真司や、岡崎慎司、本田圭佑がガッと伸びて良くなる頃で。2対2にはなったんだけど、サッカーとしては日本のほうが格段に良かった。パク・チソンは、たしかあの試合が最後になったんだよね?」

後藤「そうだっけ?けどまあ、あれは勝ちゲームだったよね」

大住「攻めの美しさと言うか、それは圧倒的に日本が勝っていたし。すごく印象的だったなぁ」

後藤「2011年は、親善試合も含めて完勝しているんだよね。内容、結果、すべてが勝ってたよね」

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