■失点でFC東京は動き出した

 チームとしても、守備では東京の攻撃で必ず1度はボールが経由する森重を狙いどころに設定し、先制ゴールはその形から生まれた。

 湘南の試合になると思われたが、東京がこの失点でようやく動くようになった。38分には森重が縦パスをカットし、そこからショートカウンターで同点。2分後にはシウバが中央でボールをキープし、左サイドの中村帆高にパス、クロスにオリヴェイラが頭で合わせて逆転、と、前半の最後に一気に試合をひっくり返した。

 森重、シウバ、オリヴェイラという、抑えられていた3人が得点に絡んだことで後半は東京が躍動することになるかと思われたが、なかなかそうはいかなかった。79分に湘南に同点を許し、81分にコーナーキックの流れから渡辺剛がなんとか勝ち越しゴールを奪ったものの、3-3になりそうな予感を存分に感じさせながらなんとか試合を終えた形になった。

 互いに、点が入って優位に立つはずがうまくいかなくなる、という繰り返しになってしまったが、そのことについて長谷川健太監督は「私は“両目が開くまで”と言っているんですけど、2勝目を挙げるまでチームは勝ちに対してナーバスになる。勝っていてもどこかで、追いつかれたくない、負けたくない、そんな姿勢になりがちなんです」と選手の心理を説明している。

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