【J1分析】清水エスパルス対サガン鳥栖 引き分けでも清水・ロティーナ監督が「満足」と思えた理由の画像
清水のミゲル・アンヘル・ロティーナ監督 清水エスパルス対サガン鳥栖 撮影/原壮史
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【明治安田J1リーグ 第4節 清水エスパルスvsサガン鳥栖 2021年3月14日 14:00キックオフ】

「大起、前に行くな」

「雄太、落ちて」

 鳥栖のキーパー、朴一圭はしきりに中盤に声をかけていた。この日の清水、ミゲル・アンヘル・ロティーナ監督は好調の鳥栖に対してしっかりと対策を用意してきた。3―5―2で幅を取った守り方をしてスペースを消されたことで、鳥栖は何度も最終ラインからビルドアップをやり直すことになった。

 松岡大起が最終ラインに加わったり、樋口雄太が1列落ちてきて縦のボールを引き出したりしても清水の陣形は崩れなかった。朴自身が最終ラインに加わってボールを回すことも試したが、後方で回しているうちは清水は全く焦らず、決して食いつかなかった。そして、何も起こらないままあっという間に飲水タイムとなった。

 ロティーナ監督は危機管理を優先させる。点を取るよりも前に、相手がしたいことをさせない。その考え方は清水の選手にもすっかり浸透しているようだった。

 しかし、どこかで1点を取らなければ勝てない。その最大のチャンスは飲水タイム直後に訪れた。パスコースを限定してボールを奪うとチアゴ・サンタナからカルリーニョス・ジュニオへと渡りゴールネットが揺れたが、オフサイドだった。

 この日の清水のゴールの狙い方が明らかになったが、これによって鳥栖も警戒を強めた。互いに、動いたら負け、状態になり、時折出るミスによってしかチャンスが生まれなくなってしまった。

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