このようにロンドンの地で苦難の道を歩んできたハフェルツだったが、このエバートン戦では、突如と言うべきか、ようやくと言うべきか、レバークーゼンでファンを魅了したプレーを取り戻した。ライン間をするすると左右に広く動き、ハーフスペースでパスを受けて仕掛け、さらには同胞のヴェルナーをワンツーで使うなどして、エバートンの守備を崩しにかかった。

 球離れが良くシンプルなプレーでリズムを生み出していたハフェルツは、32分、ボックス内でアロンソの左からの折り返しをボール前で右足で合わせて、ベン・ゴッドフレイのオウンゴールを誘発。53分にはVARでハンドの判定となって取り消されたものの、幻の2点目を奪う。まるで厄が落ちたかのような動きを見せるドイツ代表は、65分には後方からのパスに抜け出してPKを獲得。全得点に絡む活躍を見せた。

 トゥヘル監督は復活したハフェルツについて、次のようにコメントしている。

「非常に満足している。彼のことは信頼しているし、今夜彼はチャンスをものにした。与えられたポジションでしっかりと役割を果たし、スムーズなプレーで最高のパフォーマンスを見せてくれた。彼は攻撃をリードするための全ての能力を兼ね備えている。今夜は素晴らしいパフォーマンスで彼本来の実力を発揮してくれた」

 指揮官の期待に応え、「チャンスをものにした」ハフェルツ。“エジル2世”の称号を取り戻すための戦いが、ようやく始まる。

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