【ラ・リーガ バリャドリードvsヘタフェ 2021年3月6日(日本時間22:00キックオフ)】
後半開始から、久保建英がピッチに入った。アディショナルタイムも加えて50分間と、2021年に入って最長時間のプレーとなった。ヘタフェの後半最大級のチャンスは、この日本代表MFがつくり出した。
60分の場面だ。右サイドへのロングボールを、2トップの一角であるマタが受けた。追走していた久保は、タッチライン際で受けられる位置にはいたものの、ボールを要求しない。気持ちが通じていたように、マタが中央へパスを出すと同時に斜めにダッシュ。マウロ・アラムバリからのボールをボックス内で受け取り、シュートを放った。GKに弾かれたボールはDFの上腕に当たったが、判定はノーファウル。「1点もの」のプレーだった。
次の絶好機も、久保がつくり出した。67分の自陣からの速い攻撃だ。右サイドでボールを持ったクチョ・エルナンデスに、今度はボールを要求した。その時点で、プレーは思い描かれていた。
1タッチでマタへ縦に出しても、足を止めない。ワンツーを完成させてエリア内に入ったが、その後のビジョンも出来上がっていた。サイドから流れてきた相手DFにシュートコースを消された、「その先」に答えはあった。サイドから走り込んできたのは、カルレス・アレニャ。久保と同じバルセロナのアカデミーで育ったアタッカーのシュートは、DFに当てられて枠を外れた。頭を抱える久保の姿が、プレーの完成度を物語っていた。