【ブンデスリーガ アイントラハト・フランクフルトvsシュツットガルト 2021年3月6日(日本時間23:30キックオフ)】
長谷部誠と遠藤航が激突したこの試合は、両者の安定感が現在のブンデスリーガで当たり前のものとして認められている現状をそのまま示すものになった。
リベロではなくボランチとして出場した長谷部は、右サイドバックの位置から左サイドバックの位置まで幅広くサポートに動いた。リベロで出場した時よりもパスの散らしという点では目立たなかったものの、数的優位を作り出すために動き回り、前半アディショナルタイムにはカウンターのピンチを見事に摘み取った。
安定したプレーだけでなく、プレー中のチームメイトへの指示、試合が止まった場面で審判に話しかけに行く役割など、フランクフルトに落ち着きをもたらす存在として信頼を集めている姿がこの試合でもあった。
遠藤も負けていなかった。体を張る場面でフィリップ・コスティッチやルカ・ヨヴィッチに負けることなく存在感を見せつけただけでなく、ワンタッチパス、左から右への大きなサイドチェンジ、と正確な展開力を見せた。タンギ・クリバリとサイラス・ワマンギトゥカの単騎攻めになりがちなシュトゥットガルトにおいて、遠藤のパスは貴重なものになっていた。
ボランチ同士の出場とあって直接対決が期待されたが、中央を攻め上がる場面が互いに少なく、残念ながら実現しなかった。