■絶えず個で勝負する守り方
最後は勝つ、というレアルの強さは、国際タイトルを獲得し続けてきたクラブの歴史の中で伝統になったものだ。最終的に個で上回ることができるのは質の良いタレントを揃えているからで、それは数々のタイトルを獲得するメガクラブであることで可能になる。
それでも次戦、アタランタは再びオールコートでのマンツーマンディフェンスを見せるだろう。この試合ではそこを利用されて負けたが、自分たちのやり方を曲げるわけにはいかない。
その守り方は絶えず個で勝負するものだ。育成のクラブでありイタリアきっての健全経営で知られるアタランタ、国際タイトルを獲得したことがないアタランタが、歴史でも個の質でも上回っているはずのレアルを相手に個で90分勝負して逆転を目指す。自らのスタイルを保って挑むその姿を見て、アタランタがこの舞台に出るべきではないと言えるだろうか。
歴史を築いていないクラブがチャンピオンズリーグに出る意義も、スーパーリーグ構想に対する懸念もそこにある。過去の積み重ねだけでなく、今が歴史になっていくのだから。
■試合結果
アタランタ 0-1 レアル・マドリード
■得点
86分 フェルラン・メンディ(レアル・マドリード)