■スーパーリーグが孤立しないため
しかし、スーパーリーグ結成後もそれがFIFAとつながっていて、スーパーリーグ所属の選手がワールドカップやオリンピックに出られれば話は別だ。
スーパーリーグ側にとっても、各国の国内リーグと完全に別組織になることにはデメリットの方が大きいのではないだろうか。
たとえば、選手のリクルートの問題だ。もし、FIFAとは完全に別組織となった場合、スーパーリーグ側は選手をFIFA傘下のクラブから引き抜く形にならざるを得ない。そうなると、当然、様々なトラブルが生じて訴訟沙汰になることも少なくないだろう。
アメリカのプロリーグのように、各球団傘下のファームチームによるマイナーリーグを作ることも考えられるが、育成のすべてをそこでまかなうことは難しい。アメリカの場合は、学校(ハイスクールや大学)が育成を担当しているが、ヨーロッパのサッカーでは学校はスポーツ選手を育成する組織ではないからだ。各地の地方クラブの存在は絶対に必要なのだ。
したがって、全世界に存在するFIFA傘下のクラブと協調関係を作ることは、スーパーリーグ側にとっても利益になるはずだ。
スーパーリーグを「独立リーグ」にしないためには、入れ替え制を導入すればいい。
各国リーグの上位チームが集まって大会を開いて、その優勝チームとスーパーリーグの最下位チームが入れ替わるようにすれば、スーパーリーグは「独立リーグ」ではなくなる。